大きな猫

わが家の大きな猫

ご飯をくれる。

水をくれる。

時々、撫でてくれる。

大きな猫の名前は、ハルさんという。

ハルさんは、とても動き回る。

僕が「ねぇ~ここに座ってよ」と鳴いても、ハルさんは、チラッとこっちを見るだけで、スタスタ何かを持って別の部屋へ。

いつもハルさんが動き回る気配を感じながら、僕は眠る…

その気配は、僕を安心させるんだ…



しばらくすると、ハルさんがニコニコしながら、僕のところにやってきた。

「ねぇ、わたし猫語が喋れるようになったんだよ!わかる? わたしの言ってること?」

たしかに、猫語、喋ってる…ハルさん…あんまりびっくりしたから、言葉がでない…

「ねぇ、聞こえてる?わたし、猫語、ちゃんと喋れているかな?」

うん、ちゃんと喋れているし、ちゃんと聞こえているけど…言葉が出てこないんだよ!どうしよう…

ハルさんが、僕の顔を覗きこんで、「やっぱり猫語なんてわたしには、話せないのかな?」

ちょっと、悲しそうにハルさんが僕を見つめていた。

僕は思わず「そんな事ないよ!ちゃんと聞こえているよ!ハルさん猫語、ちゃんと喋れているよ!」

と言った瞬間、ハルさんが「どうした?夢でもみたの?」と微笑みながら、僕の頭を撫でてくれた。